秘密~「ひみつ」のこと
サキが
『パパと暮したい』って、
あたしとじゃなく。

てっきり、
あたしの所に来るって思ってた。

子供には母親が一番って、
勝手に思ってた。

ちょっと、ショック。

あたしのイギリス行きが負担だったらしい。

生活の変化、
大きいからね、
仕方ないか…

でも、それよりショックだった、

「あたし、養女なの?」

サキの口から出た言葉。

うかつだった、
戸籍謄本、
うっかりしてた。

あたし、
母親失格だね。

「ごめんね、パパとママの口から聞きたかったよね…」

「あなたが大きくなったら、ちゃんと話さなきゃって思ってた。でも、パパと離婚なんてことになって、機会を逃しちゃったね」

「あたし、謄本見た時は、すごいショックだったの。でも、色々考えて、今まで楽しかったことや、幸せだったことは消えないんだって思えてきて、やっぱり、パパとママが大好きだなって…」

「サキ…パパとママもあなたが大好きよ。今までも、これからも!」

「ほら、今はパパと暮してもさ、将来外国暮らしに憧れることもあるだろうし、その時はいつでもママの所に来ていいんだからね!いつでも、大歓迎よ!」

「ありがと、ママ」

翔一さん、
サキはあなたと暮したいって!

あなた、
どうするの?


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