秘密~「ひみつ」のこと
カズ、
あんたはさ、
あたしがパパとママ、
2人から捨てられて、
身寄りのない
一人ぼっちの孤児になったとしても、
それでも、
あたしのこと、
『好き』って言ってくれる?

「カズ、あたしが一人ぼっちになっても、あんただけはあたしの側にいてくれるよね?」

公園のベンチで、聞いた…

「なんだよ、おまえ、家出でもする気か?」

家出って、
そういうことじゃないんだけど…

「だってさ、パパもママもあたしのこと要らないって言ったら、あたし居るとこなくなっちゃうじゃん」

「そう、言われたのか?」

「そうじゃないけど…」

「お前、まだ不安なんだ…」

「…」

「そんなこと、俺が許さない。お前を大切に思わない親なんて、俺がおしおきしてやるよ!なんなら、これから、お前のパパの会社、乗り込むか?」

「カズ、マジ?」

「俺はいつだってマジだよ!」

今にも立ち上がりそうなカズの様子に、

「ハハ、ありがと。なんか、気抜けた」

「何だよ?」

胸が熱くなって、
あたし
カズの肩に頭をもたれかけた。

安心したよ。

カズ、
あんたは、
いつもあたしの側にいてくれるんだね。

カズがあたしの頭をクシャクシャと撫でる。

「馬鹿だな、お前。信じろよ、俺の直感…」

そうだね、
疑った訳じゃない。
ちょっと確かめたかっただけ…
あんたの気持ち…

カズ、
あたし、
あんたのこと信じる。

あたし、
ずっとあんたの側にいるよ!




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