【企】*変わらないもの*
―――やっぱり…哲ちゃんの姿は見えなかった。


終電もなくなった私は、来た道を戻るしかなくて!


後ろを振り返った途端、心臓が跳ねた。


タクシーから…哲ちゃんが降りてきた。


「てっちゃ………」


声を掛けようと名前を呼んだ瞬間!


もう一人女の人が降りて来た。


とっさに、傘で顔を隠した私。


見たくないよ〜。


何が起こってるか、思考が回らない。


哲ちゃんは、ニヤニヤして話してる。


意味わからないよ…?


仕事うまくやってるんじゃん。


嘘だったの?



私は傘を、哲ちゃんに投げた。


もう、知らない…。
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