【企】*変わらないもの*
歩幅
哲 side〜

中川さんは、必死に止めてくれたんだけど、誘惑に負けたというか…


「ありがとうございます。」


俺はグラスを差し出した。


飲んだ振りすればいいんだ。


俺は口に入れて、会釈した。


「だ、ダメじゃん!」


中川さんも呆れてる。


「…もう、課長ったら〜!!」


口には苦い味が、充満していて違うグラスに気づかれないように移した。


ふっと、オヤジを思い出す。


酔って帰ってくるたび、さり気なく母親が水を差し出す。


『お疲れ様なのねぇ〜。』


そんな光景を見ながら、理解出来ない反応をしていたけど。


外で酒を飲んで、ストレスを出してきてたんだな?


新米だけど…オヤジの気持ちが分かるような…気がした!
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