【企】*変わらないもの*
社会に出ると、見えない足並みを揃えていかないと残れないんだ!


そう思った時。


「じゃあ!一本締めで!!」


幹事である先輩が席から立ち上がった。


やっべー、あのひと口が…ちょっと思考力を低下させてる。


疲れてんだな…。


やっと、お開きになって店を出ようとしたら…案の定課長に、捕まった。


「二次会は?」


外は雨が降っていた。


「すみません…ちょっと気分が悪くて、また今度は付き合いますから!」


やっと言えた。


しかし、そう簡単に引き下がらない酔っぱらいの課長。


「…ちょっと、終電なくなっちゃうよ?」


中川さんが、わざと?課長に聞こえるように言った。


「どうせ、課長は代行でご帰宅だけど、新人研修が終わって、これからの人たちは、返してあげないとですよ…!」


中川さんも、結構言うな〜?


でも、終電なくなっちゃうよ?

えっ!


マジかよ…!


時計を見ると、本当に焦る俺がいた。


あかり!待ちくたびれてるかもしんない!


慌てて携帯を開いたが!


「小川君は家どこなの?」


横からは、中川さんの心配そうな顔。


「駅から…2つ目です。」


「あらぁ!一緒じゃない!」


マジかよ…!


外は、雨がすごかった。


俺、傘忘れたし…!


中川さんは、テキパキと鞄から折りたたみ傘を出して、まだ消えないこの、人混みから俺に、手招きをしていた。
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