【企】*変わらないもの*
駅に着いて、清算までしてくれた中川さんにお礼を言ったら、


「早く行ってあげて!彼女待ってるから!」


「そうですね!今日はお疲れ様でした!中川さんも気をつけて!」


そう言った瞬間、背後から…。


「もう、知らないよ!…ック!!知らない…」


そこには、雨に濡れたあかりが立っていた。


傘を俺に投げつけて、反対方向へ駆け出すあかり!


誤解だよ!!



「…彼女さん?」


俺は頷く事しか出来なかった!

中川さんが、タクシーから降りて、俺を車に乗せた。


「早く行ってあげて!彼女、待ってたのよ!ごめんなさい…私からも謝るわ!」


そう言うとタクシーの運転手に


「…今の女の子を追って下さい!」


中川さんは頭を下げた!


雨で視界がぼやけていて、タクシーの運転手もゆっくりと前に進む。


あかり!頼むから…話だけでも聞いてくれないか?


何度も、あかりの携帯に電話したが繋がらない。


出てくれよ‥!


俺は、あかりの姿を見逃さないように探した。


傘をさしてないあかり!


どこまで、行ったんだよ!
< 18 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop