まじ恋のお薬を
病院の廊下も走ってて、看護師さんに注意されたような気がするけど、あたしはダッシュで病室に駆け込んだ。
病室では静かな空気が流れてた。
家族が泣いてて大樹はベッドで苦しそうに目を瞑ってる。
「美佳…」
真夏も泣いたのか少し赤い目をしてあたしに近づいてきた。
あたしが彼女だったって知ってる大樹の家族は、あたしに気付くと病室から出ていった。
続いて真夏も出ていく。
あたしはもう彼女じゃないんだから、そんな気を使わなくていいのに…
あたしはフラフラと大樹に近づいた。
「だ…大樹…」
あたしの声に大樹が小さく目を開いた。