『鏡の中のマリア』

傷跡

暁生を部屋に通す。


私は部屋の中央に立ったまま

『本当のことがわかったからありがとう。』

と通帳とカードを渡した。


「わかってないじゃん?
 真実に近づいただけだろ。」
暁生は受け取ろうとしない。


『真実って・・・?

暁生は何?

何で私に声かけたの?
何で協力してくれたの?』

「お前何が言いたいの?」


『イズミ―でしょう?
私達同じ小学校だった。』


「ふぅ~ん。やっと思い出したんだ。」
暁生は何だか嬉しそうだった。


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