『鏡の中のマリア』
母親は、麻莉乃の死を受け入れることが出来
なくて、お通夜もお葬式も出席しなかった。


麻莉乃のベットの横に座り、布団に顔を埋め
泣いていた。

私は母親と痛みを分ち合いたかった。


『お母さん、
麻莉乃死んじゃったね・・・

大丈夫だよ。

麻莉亜がいるから、

麻莉亜がずっとお母さんの

そばにいるから。』


小さな肩を震わせる母親が
私の涙まじりのその声に
振り返ってくれた。

母は、この時初めて
私に笑顔を見せてくれた
気がした。


私は嬉しくて

また涙がでた。


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