『鏡の中のマリア』

壊れた関係

「やだやだ・・・麻莉乃ぉ・・・。」

私の足にすがりつく母親を
ただ上から見ていた。

(お母さん・・・)


暁生が突然、
「おばさん、あんたわかってんだろ?
麻莉乃は死んだ、死んだんだよ!
いいかげん認めろよ!」

母親に対してだった。

「麻莉乃は生きてる。
 麻莉乃は生きてる。
 麻莉乃はここにいる。」
そう言いながら
私の足を掴む腕に力がこもる母親に、


「あんたさ、そんなこと
言ってると麻莉亜まで失うよ。
それでもいいの?!

壊れかけてんのわかってんだろ!
こいつ何で助けてやらないの?
あんた母親だろ!

自分の娘の顔ぐらい
わかんだろーが!!」

最後はまるで自分の
母親に言ってるようだった。


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