『鏡の中のマリア』
「あぁ~・・・あぁ~・・・。」

(お母さん・・・)

私は母親を抱きしめ、

『やめて、お母さん責めないで、
もうやめて・・・』
と、暁生に言っていた。

「何言ってんの?
お前の変わりに言ってんだろ!」

『もういい・・・もういいから。』

「よくね~よ!何がいいの?
お前自分のやられたこと
わかってんの?」

『わかってるよ・・・』

「だったら・・
『暁生には関係ない。
うちの家族の問題に口出さないで。
もう、帰って』

私はすごく身勝手で、
暁生は私のために
言ってくれたのに

一緒に記憶を探してくれたのに

そして私は暁生にひどいことを
言ってしまった。

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