『鏡の中のマリア』
私は、本当は彼と
別れるつもりだった。

もうこの変な関係から
解放してあげないと・・・。


記憶が戻る少し前に
別れを告げていた。

『好きかどうか
わからないから別れて。

感情もないのに一緒に
いるのは変でしょ?』

これは本当に確かな気持ちだった。

「俺は別れないよ。
俺は、麻莉乃が好きだから
君の感情が戻るまで待つよ。」


私が麻莉亜と告げた今、
涙を流して喜ぶ彼を見て
私の心は揺れていた。




麻莉乃の私も

麻莉亜の私も


受け入れてくれた智哉。

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