『鏡の中のマリア』
『お母さん、
麻莉亜だよ。

お母さん・・・。』

私はほとんど毎日、
母親に会いに来ていた。

母親は一向に
私を見てくれない。


(暁生もこんな気持ちを
かかえて生きてきたんだ・・・)

なのにあの人は太陽みたいに
明るくて、強くて、優しかった。


私は、彼の手を
離してしまった。

ずっと繋いでいたかった。


自分で離したくせに、
私は後悔していた。。。



離した手は
もう二度と戻ってこない。




私は何の反応も示さない
母親の横で声をあげて
わんわん泣いていた。




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