『鏡の中のマリア』
(ん・・・?)
私は智哉の肩に寄りかかっていた
彼の腕が私を支えてる。

「大丈夫?目、覚めた?
麻莉乃、気を失っちゃったから
タクシー捕まえたんだ。
さすがに15分おんぶするのは、
ちょっと・・・(笑)
もうすぐ着くよ。」


外の景色に目を向けると
確かに家の近くの見慣れた
風景だった。


家の前では母親が待っていた。

多分智哉が連絡したんだろう。


タクシーを降りると
「麻莉乃!大丈夫!!!」

と言い、私を掴む母親の
腕がやけに痛い。

「智哉くんありがとう!!
よかったあなたが一緒で!
本当にありがとう・・」

涙ぐむ母親に智哉は
「いえいえ、全然そんな・・。」
と変な言葉使いになって困っている。

「あの・・・今日はここで失礼します。
 じゃぁ麻莉乃、また明日。
 ゆっくり休んで!」
って爽やかに帰っていった。




家に帰りすぐにベットに
寝かされる。

(ハァ~・・・最悪!!まだ7時じゃん!)

ゴロンと寝返りをうってみる。

(何か思い出しそうだったのに・・・)


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