『鏡の中のマリア』
『無意識?』

いきなり暁生が立ち上がったかと思うと

「藤井・・・ボール取られそうになった後、
その子かわしてその後、マークに付かれそ
うになった子にフェイントかけて・・・ライ
ン踏まずにそのまま3ポイントシュート。」
そう言いながら同じ動きをして見せてくれ
る暁生、

『何それ?』
食い入るように見つめる私に

「俺が気になったのは、
まぐれで3ポイント
入ることもあるけどさ、
フォームが綺麗
すぎるんだよ。

それに、フェイクからの
3ポイントなんて普通、
女はやらない。

お前はすぐにシュート
体勢に入れた。
しかも正確に瞬時にね。

素人には出来ない・・・」

『つまり・・・?』

「・・・。」

暁生が今度は黙り
込んだかと思うと、

いきなり私の腕を
ぐっと掴み立たされ

「帰ろう!さっき
言ってた日記見せて。」

『え・・・?』

そのまま引っ張られていた。


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