『鏡の中のマリア』
腕をグッと掴まれ
我に返る・・・

(今・・・私何言った・・・?)

「藤井、お前、
顔・・・真っ青!」

手がヒンヤリと冷たく
なっていくのがわかる。

体がカクカク震えだし、
心臓がすごい速さで
動いている。

『あ・・・ぁ・・・』
(声が。。。)

涙がポロポロでていた。

暁生が私の体をギュッと
抱きしめ、

「藤井、大丈夫落ち着いて、
俺の心臓の音わかる?」
重なった胸元から暁生
の心臓の音を感じていた。

トックン・・トックン・・トックン

「この音に合わせて・・・」

私はその音に同調させようと
意識をそのことだけに
集中させていた。

トックトックトック

(ゆっくり・・・ )


トックントックントックン


(もう少し・・・)


トックン・トックン・トックン


『ハァ~・・・』
手に温もりがもどる。


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