『鏡の中のマリア』
「どう思ってるのかなって思って・・・。」

『どうって?』

(私はなんて
いじわるなんだろう。)

「あの・・・好きなの?」
彼女が私の顔を覗きこむ。

『別に。』

彼女はホッとした
顔をしてこう続けてきた。

「本当?・・・
じゃぁ、暁生くんと
あんまり仲良く
しないでほしいの・・・。」

苛々した。
彼女のハッキリ言わない
その態度に、

『何であんたにそんなこと
言われなきゃいけないの?』

「あの・・・一応私、
暁生くんの彼女だから。」



太陽がジリジリ暑い。

近くで蝉の鳴き声。

(ウザイ・・・)

彼女だからの言葉に・・・


私はスイッチが入ってしまった。


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