machine
「ここだ。」
「凄い古い感じね。タイムスリップしたみたいね。」
「行ってみよう。」
凄い木だった。下から見上げると吸い込まれそうな感じがした。
何年ここにいるのだろう?俺達はまだまだ、この木の十分の一も生きてきてないだろう。

「あっちに女の人がいる。」
「こんにちは。」
「ああ。こんにちは。」
「凄い木ですね。」
「そうでしょう。これを見ると心が洗われます。自分の存在がちっぽけに思えてきますよ。
自分の悩みや苦しみなんてものなとても小さい物なんだと感じます。」
そう言うと、中年の女性は涙を流した。
「何かお辛い事があったのですか?」
「ああ。。ごめんなさい。。ありがとう。。実は一月程前、娘を重い心臓病で亡くしましてね。」
「心臓病。。。!!」
俺達は顔を見合わせた。
「あの。。。娘さんのお名前はなんておっしゃるんですか。。。?」

「ミツコといいます。」
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