machine
「sister」
年の頃、高校生位だろうか。
白いシャツを着た体の小さな少年だった。

「そこで何をしてるんだよ。」
「君がマコトくんか?」
「そうだよ。それがどうした。」鋭い目で俺達を見ていた。
「俺を走らせたのは君か?」
「え?。。。」
俺は持ってきた人工心臓の入ったアタッシュケースを掲げた。

「それは。。。」
マコトの顔色が変わった。
「持ってきてやったんだよ。大変だったぜ。まさかこんな所にいたとはな。」

彼は足が悪いようだった。
「何故、こんな事をしたの?」
「うるさい!!早くそれをよこせ!!」
「君のおかげでいったい何人の人が苦しんでると思っているの!」
「だまれ!!僕がこんな足じゃなかったら自分で何でもやってたさ!誰に頼らなくても僕の手でミツコを助ける事が出来たんだ!」
マコトは自分のふとももを手で叩いた。

「どうしてなんだ。。どうしてこんな事を?」
「僕は生まれつき足が悪かった。ミツコは心臓が悪かった。僕達はお互いを支え合って助け合って生きてきたんだ。父さんも10年前に死んで、母さんは僕達を一人で支えてくれた。ミツコは僕の足になってくれたんだ。いつも、いつも、僕を後ろから押してくれた。。。」
マコトは涙を流していた。

「でも、もうミツコちゃんは死んでしまったのよ。。」
「違う!!ミツコは死んでない!!今僕しかミツコを助けられる人はいないんだ!
それさえあれば、それさえあれば。。それさえあれば!!」
マコトは泣き崩れた。
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