三度、死体は笑う
◆プロローグ
死んだはずの女の顔を見て、目が醒めるなんてこれで何度目だろう。
多分、日数にすれば一週間か、それくらいだ。
だが、正直なところ気味が悪くて仕方がない。だから、夜中に何度も目を醒ます。なるべくなら、早く手を切りたい。
しかし、今の俺に其れを云える余裕がこれっぽっちもない。
都合がいいのに変わりはない。経済的にもそれ以外にも。
そして、幽霊の類じゃないことも確かだ。足もちゃんとついてる。俺が与える刺激にも感度は敏感に反応する。顔を見れば死姦に値するが身体は生きている其れの紛れもない反応だ。
しかも、何処をどう刺激すればいいかは手に取る様に解る。まるで、死んだはずの女そのものだったから。