三度、死体は笑う
俺は瑠璃子と暮らすようになって、真面目にやっていこうと決意した。収入は少なくとも瑠璃子に心配をかけるようなことはしたくない。『出来損ない』からは多少なりとも脱皮したはずの俺はまともになって瑠璃子を幸せにしてやりたかった。
そうは云っても、“闇の街”に慣れ親しんだ自分の身体を変えるのは簡単ではない。強制的に強いる必要があった。
日雇いの肉体労働を入れながら深夜の工場の流れ作業。
学のない俺に出来ることはやれるだけやった。
おかげで瑠璃子に“摩夜”の名を捨てさせる事が出来た。