三度、死体は笑う
瑠璃子を棄てることに躊躇はなかった。誰にも捜されないだろうことは分かっていたからだ。
瑠璃子が身の上話をした時、自分は天涯孤独だと云った。両親は幼い頃に事故で二人一緒に亡くなったと。
引き取り手のない自分は施設に預けられ、その施設を飛び出したのは俺と同じ歳だった。
ただ、両親が亡くなる以前とその後しばらくは病院で暮らしていたようだ。
病名は分からないと云った。
両親が亡くなったのは、瑠璃子が小学校に上がる頃だったらしい。