三度、死体は笑う
◆同じ顔
その死んだはず、
いや……
俺が“殺した”はずの女とうりふたつの顔を持つ女は自分を“絵理子”と名乗った。
偶然か……必然か……
瑠璃子が俺に忘れさせない為の幻か……
顔だけでなしに名前まで似ているなんて。
何故、この女が今も家にいるのか?
考えようにも記憶は曖昧なままだ。
あの日、確かに俺は酔っていた。しかも、ハンパなく酔いつぶれていた。
女が云うには、吐いた後で腰を抜かしたらしい俺はうわ言のように何度も誤り続けたという。