三度、死体は笑う
「ねぇママ、わたしみちゃったの。…りちゃんのなかにあくまがいるの。このあいだ、ママが読んでくれたご本でみたあくまとおんなじ。……わるいあくまよ」
「まぁ、それは大変。でもきっと何かの間違いよ。だってあなたたちはママの愛しい天使だもの。そんなはずないわ」
「……でもママ、わたしほんとうにみたんだもの……」
「きっとわるい夢でも見たのね。でも大丈夫。ママもパパもついてるわ。悪魔がおうちに入ってこれる訳ないもの。さぁ、あなたも二階へ行って遊んでらっしゃい。心配なんていらないから」
「ママ、ちゃんとわたしを守ってね。お願いよ」