三度、死体は笑う


覚醒していく俺の中で、夢の断片が囁き掛ける。


小さな少女の声……

「るりちゃん……ママにいいつけたわね」


最後に聞いた台詞はそれだ。
その後の大きな衝撃音。



雷……違うな……

階段を堕ちる自分……



徐々に映像が蘇る。


逆光でよく見えない……

階段の上に立つ、幼い少女のシルエット……


そうだっ……

確かに突き落とされたんだ。



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