三度、死体は笑う
心臓が跳ね上がる。
その名前で呼ばれたのは何年ぶりだろうか。
そう、俺は家を出て、俺の家族は俺を死んだものと扱った。わざわざ、葬式まで出したらしい。狭い田舎で噂が広まる前に、使える手駒を駆使したのだ。
勿論、使える金も駆使したのだろう。
もっとも、俺がそれを知るのはだいぶ後のことだったが。
おかげで俺は、なんの躊躇いもなく新しい名前を手に入れた。元々、躊躇いがあったのかさえわからないが。