三度、死体は笑う
◆出来損ない
俺は15で家を飛び出して、一度も戻ったことがない。おそらくは捜されたこともない。
俺の生まれ育った町は、とびきりの田舎だった。
そして俺の生まれた家は、だからこそ尚、目立って裕福な家だった。
ひい爺さんの代からの町でも名の通った病院で、爺さんも親父も皆、医者だった。
だから、幼い頃から俺も、そして俺の双子の兄貴も当たり前のように将来自分達が医者になると思って育った。