三度、死体は笑う


俺は正直、何も感じなかった。
女が笑うように面白味もなければ、哀しみなどと云う感情も殊更、在りはしない。



財産など勿論、俺には関係のない話だ。




だから、何故…………?



やはり、これだけが消えずに残る。



「アナタがいけないのよ」


見透かされたような返事に俺はたじろぐ。



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