三度、死体は笑う


だから『出来損ないの弟』は、当たり前のように高校受験に失敗した。


親達は予想していたはずだが、かすかな期待さえも裏切られた腹いせに俺に非難を浴びせる行為に一層、力を入れた。


父親は初めから跡取りは一人だったと思えばいい。別に双子でなくともよかったのだ。と俺の存在自体を否定した。

母親は俺から見ても、決して思慮深い人間ではなかったが、他人の傷をえぐるような言葉選びだけは天才的に上手かった。



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