迷子のコイ
「おばさぁん、おじゃましました!」
あたしは小学校のときから通いなれた
この家をあとにした。
ナギの家からの帰りみち・・・
ここからあたしの家までは10分の距離。
あたしの家に帰る途中には、
おおきな公園がある。
遅い時間にはさすがに通らないけど、
時間は、まだ5時。
あたしは近道にもなるその公園を
とおって帰ることにした。
公園で昼間、
遊んでいた子供たちは
夕食へと家へ帰る時間で
この時間の公園は
人通りがすくなくなる。
案の定、公園にはいると
たまに犬の散歩のヒトがとおるくらいで
あたりに人気《ひとけ》は、あまりなかった。
あたしは木々の多い
ダイスキなこの公園を
ゆっくりと散策しながら帰ろうとした。
「・・・早坂・・・」
公園の、ちょうど中央部分にさしかかったとき
男のコが、あたしを呼ぶ声がきこえた。
あたしは、聞き覚えのあるその声に
ふりむくのをやめたかった。
けれどその声は
すこしずつあたしに近づきながら
何度もあたしの名を呼んだ。
「・・・タカくん・・・」
鳥肌がたちながら
ゆっくりと振り向いた先には
学校の帰り道に別れたはずの
タカくんが立っていた。
あたしは小学校のときから通いなれた
この家をあとにした。
ナギの家からの帰りみち・・・
ここからあたしの家までは10分の距離。
あたしの家に帰る途中には、
おおきな公園がある。
遅い時間にはさすがに通らないけど、
時間は、まだ5時。
あたしは近道にもなるその公園を
とおって帰ることにした。
公園で昼間、
遊んでいた子供たちは
夕食へと家へ帰る時間で
この時間の公園は
人通りがすくなくなる。
案の定、公園にはいると
たまに犬の散歩のヒトがとおるくらいで
あたりに人気《ひとけ》は、あまりなかった。
あたしは木々の多い
ダイスキなこの公園を
ゆっくりと散策しながら帰ろうとした。
「・・・早坂・・・」
公園の、ちょうど中央部分にさしかかったとき
男のコが、あたしを呼ぶ声がきこえた。
あたしは、聞き覚えのあるその声に
ふりむくのをやめたかった。
けれどその声は
すこしずつあたしに近づきながら
何度もあたしの名を呼んだ。
「・・・タカくん・・・」
鳥肌がたちながら
ゆっくりと振り向いた先には
学校の帰り道に別れたはずの
タカくんが立っていた。