迷子のコイ
「カケルから? なんで?
 なんて書いてあんの?」


「『今日8時に、うちの近くの公園で待ってる』って・・・」


「8時に? なんで?」


あたしはナギと顔を見比べた。

最後に話したのは、
あの公園・・・。

あれ以来、カレとは1度も話していない。

でも・・・もしかしたら・・・


「・・・仲直り?」


あたしはボソッとつぶやいた。


「『仲直り』って、あんた
 カケルとケンカしてたの?」


「ケンカってゆーか
 ・・・まぁ、ちょっとあって・・・」




ナギは、
『それでわかった!』って顔をした。


「どーりでカケルが最近
 うちのクラスに
カオださなかったわけだ!」


満足げにウンウンうなづいて、
カケルからの手紙を、手にとった。
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