迷子のコイ
――――――あきらかに、
カケルの様子が
おかしいことに気づいた。


イヤな予感が胸をよぎる。


「・・・まさか・・・」


「・・・どこだよ」


「えっ」


「待ち合わせ場所、
 ナギお前見たのか?」




――――カケルの慌て方を見て
尋常じゃないと思った。



「公園・・・アイリんチの近くの
 あのおっきい公園!!」


私の言葉が言い終わるより先に
カケルは肩にかけていた
スポーツバックを
ほうり出した。


その公園に、いくために。
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