迷子のコイ
Act.8 別れ
「・・・佐伯くん・・・?」
小さな声で、
あたしはカレの名を口にした。
8時・・・3分。
待ち合わせ時間より
3分しか遅れてないけど
まさかもう、帰っちゃったんじゃないよね?
「・・・まだ来てないのかなぁ・・・」
8時ともなると
あたりに人影はない。
あたしは、薄暗い外灯だけのこの公園で
ひとり、カレを待つ。
ガサガサッ
ジーンズのポケットから
学校の靴箱に入っていた
佐伯くんからの手紙を取り出した。
(・・・8時って、書いてあるよね?)
だけど、カレのくる気配が全然ない。
(もしかして、ここじゃないのかな)
『今日夜8時、タカシナ公園の中央ベンチで待ってる』
佐伯くんからの手紙には、そう書いてある。
公園というよりは
植物園にも見えるこの公園で、
夜遅くにひとりでここにいるのは
15歳のあたしには、怖いものがあった。
「・・・場所、違うのカモ・・・」
8時10分が過ぎても、人影がない。
不安になってきたあたしは
もうすこし先にもう1ヶ所
ベンチの置かれている場所を思い出し
そっちに移動しようと思って立ち上がった。
すると、その時ちょうど
向こうから歩いてくるヒトがいることに
あたしは気づいた。
小さな声で、
あたしはカレの名を口にした。
8時・・・3分。
待ち合わせ時間より
3分しか遅れてないけど
まさかもう、帰っちゃったんじゃないよね?
「・・・まだ来てないのかなぁ・・・」
8時ともなると
あたりに人影はない。
あたしは、薄暗い外灯だけのこの公園で
ひとり、カレを待つ。
ガサガサッ
ジーンズのポケットから
学校の靴箱に入っていた
佐伯くんからの手紙を取り出した。
(・・・8時って、書いてあるよね?)
だけど、カレのくる気配が全然ない。
(もしかして、ここじゃないのかな)
『今日夜8時、タカシナ公園の中央ベンチで待ってる』
佐伯くんからの手紙には、そう書いてある。
公園というよりは
植物園にも見えるこの公園で、
夜遅くにひとりでここにいるのは
15歳のあたしには、怖いものがあった。
「・・・場所、違うのカモ・・・」
8時10分が過ぎても、人影がない。
不安になってきたあたしは
もうすこし先にもう1ヶ所
ベンチの置かれている場所を思い出し
そっちに移動しようと思って立ち上がった。
すると、その時ちょうど
向こうから歩いてくるヒトがいることに
あたしは気づいた。