迷子のコイ
「・・・オレとつきあってよ、早坂。
 オレ、オマエのことマジ大事にするから!」


恐怖でおびえながらも、
あたしは口元を押さえられたまま
フルフルと首を横にふった。


この状態になってもなお、あたしは
カレを拒絶し続けた。


そんなあたしにカレは
とうとう怒りをあらわにした。


口元をふさいでいた両手が
徐々に・・徐々にと下へといき
カレはその手を喉もとへと移動させた。


「・・・なんで・・・だよっ」


カレの両手に力がはいり、
口元をふさがれてたとき以上に
あたしは息ができなくなった。


( ・・・殺される・・・ )


息苦しさで何もできないまま
あたしはただ
カレの下で横たわっていた。


カレのカオが次第にボヤけて見える・・・。


もう、ダメだ・・・。
< 123 / 203 >

この作品をシェア

pagetop