迷子のコイ
それから幾日かは
なにも起こらずに
平和に毎日が過ぎていった。
あの日、カケルの家に行ったや
熱にうなされながら呼ばれた名前。
それすらも
まるで夢のように
感じはじめたある日。
あたしはナギと一緒に
久しぶりに下校した。
秋物の洋服を一緒に見たり
途中、途中で休憩したり。
これから塾があるという
ナギと別れて
バスに乗って帰った頃には
夕方になっていた。
バスを降り、
バス停にあるベンチを
何気なく見たあたしは
息が止まるほど驚いた。
そこには何食わぬ顔をして
カケルが座っていたから。
「・・・遅かったな」
バスから降りてきたあたしに
カレは声をかけてきた。
あたしはそんなカケルに
気づかないフリをして
その場から立ち去ろうとする。
「・・・何シカトしてんだよ」
あたしの前に立ちふさがって
カレは言った。
「オマエ こないだ
ハンカチ忘れていったろ?」
「しっ 知らない!!」
あたしはシラをきった。
なにも起こらずに
平和に毎日が過ぎていった。
あの日、カケルの家に行ったや
熱にうなされながら呼ばれた名前。
それすらも
まるで夢のように
感じはじめたある日。
あたしはナギと一緒に
久しぶりに下校した。
秋物の洋服を一緒に見たり
途中、途中で休憩したり。
これから塾があるという
ナギと別れて
バスに乗って帰った頃には
夕方になっていた。
バスを降り、
バス停にあるベンチを
何気なく見たあたしは
息が止まるほど驚いた。
そこには何食わぬ顔をして
カケルが座っていたから。
「・・・遅かったな」
バスから降りてきたあたしに
カレは声をかけてきた。
あたしはそんなカケルに
気づかないフリをして
その場から立ち去ろうとする。
「・・・何シカトしてんだよ」
あたしの前に立ちふさがって
カレは言った。
「オマエ こないだ
ハンカチ忘れていったろ?」
「しっ 知らない!!」
あたしはシラをきった。