迷子のコイ
ドアのノブに手をかけた。

するとあたしの手の上に
カケルの手が重なった。


すこしだけ開いていた
そのドアの扉をカケルは閉めた。


「・・・カケル・・・?」


不思議に思い
カケルを見上げると
そのままカケルは
強くあたしを抱きしめた。


「・・・行くなよ」




―――唇が触れ合った。

カケルとの2度目のキス。

甘い香りの漂うこの部屋で
そのまま何度も
あたしたちは唇を重ねた。




スキ・・・

あの頃のカケルだけじゃなく
今のカケルも


唇を重ね合わせるたび
カケルへの想いがおおきくなる。


スキ・・・


あたしはカレに
自分の想いを伝える
決心をした。






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