迷子のコイ
「ミナがずっとタカのことスキだったの
 あんただって知ってるでしょ」


2人のうしろでミナちゃんが
ますます声をあげて泣き始めていた。



「だって、そんなこといったって
 あたし知らないもん!」


パァンッッ!!


急に あたしの左頬に
熱い痛みがはしる。


・・・・・ミナちゃんだった。


さっきまで2人のうしろに隠れて
泣いていたミナちゃんが
すごい目をしてあたしをにらみつけていた。


「・・・とぼけないでよ・・・」



泣きすぎたせいか、
ミナちゃんの声は低く、かすれている。


「タカに言われたんだから!
 『あんたのことスキになったから別れてくれ』って!
 
 タカだけじゃないよ!
 ミハルだって、チエだって
 あんたが原因で別れたんでしょ!」


しぼりだすようなその叫びに
あたしは、目のまえが真っ白になっていた。



(ミハルも・・・ チエも・・・?)



ふたりがすこしまえに
カレシと別れたことは知っていたけど
それが・・・あたしの・・・せい?
 
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