迷子のコイ
最終章
「アイリ?」



「おはよ! ナギ」


「やだ! どーしたの?
 あんたが迎えにくるなんて!」


ナギがおどろくのも無理はない。


ナギと出会ってから
朝あたしから
ナギを迎えに来たなんてこと
はじめてだったから。


「たまにはいーでしょ?」


あたしはそう言って
ナギの隣りを歩きだした。



昨日、あったことを。

ううん。

中学のときから
今まであった出来事を
あたしはやっと
ナギに話せるようになったって
そう思った。


あたしは密かに
カケルと会っていたことを
この日はじめて
ナギに話した。

 
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