迷子のコイ
けれどナギは


「そうだったんだ・・・」


それだけしか言わずに
あたしをただ優しく見た。


「あんたにしては
 がんばったね」


そう言ってくれるナギの言葉に
あたしは声をあげて泣いた。


・・・高校生なのに。


そしてあたしの泣き声を
聞きつけたかのように
俊哉があらわれた。

あたしたちは高校の入学式以来
はじめて3人で登校した。
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