迷子のコイ
「それじゃあ・・・」


「うん・・・・・」


キャリーケース
ひとつを持って
カレはいた。


佐伯 翔くん。


あたしがこの世で
初めて好きになった、男のコ。


そしていまも、
大好きな人。




あたしたちは空港にいた。

今日カレが再び
アメリカへと飛び立つ為に・・・。



怪我を治すためじゃない。


怪我をして
それを治そうとする人たちを
カレは支えたいと言った。

そのためにカレは
アメリカへと飛び立つ覚悟を決めた。




「・・・そろそろ 行かなきゃ」



「うん・・・」


そう言いながらも
あたし達は
なかなか離れられない。


今日別れてしまえば
今度いつ会えるか
わからないから・・・。
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