迷子のコイ
「ねぇ、ナギぃ・・・」


あたしは泣きながら、ナギに訊いた。


「・・・ねぇ、ナギぃ、
 あたし、なんか悪いことしたのかなぁ。」


あたしは心のつかえを吐き出したくて
ナギに泣きながら、訊いた。


「ミハルもチエも・・・
 みんなあたしのせいで別れたって・・・。
 あたし、なんか悪いことしたのかなぁ・・・」


「・・・アイリ・・・」


ナギの手が、そっと
あたしの肩にふれた。

ナギはきっと、
あたしのせいで
ミハルも、チエも
カレシと別れたってことを
知っていたんだと思った。

なぜかはわからないけど、そう思った。


だからきっと
ミナちゃんがカレシと別れたのも
あたしのせいだって
知ってたんだと思う。


知ってたから、
そのことで呼び出されたあたしを
息を切らせながら
捜しにきてくれたんだって
あたしは感じていた。





 
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