迷子のコイ
立ち上がってクネクネしながら


「お・ね・が・い~!」


そして、さらにクネクネ。

ふたりは
そのポーズを見たとたんに
声をあげて笑い出した。


「ちょっ・・・アイリ、
 なにそのポーズ!!」


「アイリ~、マジキモイ!!」


思った以上に

( ウケタ! )

と思ったあたしは
ご満悦になりながら
フンフンッと鼻息を荒くした。



「これねぇ、
 昨日俊哉がナギにやってたんだよねー」


あたしが席に戻りながら言ったその言葉に、
ふたりは意外な反応をしめした。


「えっ そーなの!」


「うっそ! 
 俊哉くん そんなことするんだ!」


「そーだよ、するよぉ。」



中学時代、
俊哉がどんだけバカなコトをしてきたか。


『一人旅だ』
とかなんとか言いながら
修学旅行で
単独行動をおこしたあげく
迷子になって
警察のご厄介になったことや

バレンタインに
『チョコくれ チョコくれ』うるさくて
俊哉あてのチョコを買うまで
毎日見張られつづけたこと、

あたしはサヤカとむっちに
ぜんぶしゃべってやった。







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