迷子のコイ
「あれ?
 アイリ、やせた?」


「え?」


「あ、ホントだ!
 あんなにチョコ食べてんのに、
 なんでっ?」


ふたりのその言葉を聞きつけ
ナギがキツク
鬼のよーに目を光らせて
あたしのもとへと向かってくる。


Tシャツに着替えた
あたしのウエストに手をやって、


「アイリ!!
 あんたまた
 夕食たべなかったでしょ!」


それから5時間目の間中、
ナギのお怒りがとけることは
ついになかった。
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