迷子のコイ
「バイト終わるまで待ってろよ。
 終わったら送ってくから」


近くでナギとそう話す
俊哉の声が聞こえた。


「・・・別にいーよ、送んなくて。
 アイリはちゃんと、
 あたしが送るし」


俊哉のお誘いを、
つっぱねるナギ。


「いや・・・・・」


なにげなく
2人のほうを見たあたしは
一瞬、俊哉と目があった気がした。


・・・でも、『気のせいだったのかな?』
とも思った。



「ナギ、ちょっといいか?」


そのとき俊哉がナギの手をひいて
雑誌のほうにいく姿が見えたから。



あたしは

( どうしたんだろ? )

そう思いつつも
ふたりの行動がそんなに気にならずに
相も変わらず
デザートコーナーを
うろちょろしてた。


コンビニのBGM意外には
話し声も聞こえない。


そんなとき、


「すみませーん!」


レジにひとりの男の人がやってきて
店員を呼んだ。


「あっはい!」


俊哉が
雑誌コーナーのほうからでてきて


「お待たせしました!」


とかなんとか言いながら
レジを打ち始めた。
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