迷子のコイ
「アイリ、何にするか決まった?」


レジをうつ俊哉を
ボーッと見ていたあたしは
いつのまにか
ナギがうしろにいることに
全然気づかずに
ひとりで勝手にビックリしていた。


「あ、うん! これにした!」


そういって差し出した
手の中にあるティラミスを見たナギは


「また?」


それだけ言って
自分のデザートを選びはじめた。






俊哉をまつ10時までは
意外にも早く過ぎて、
5分くらい前になると
バックヤードから
メガネをかけた男のヒトがでてきて
レジにいる俊哉に


「おはようございまーす」


と声をかけていた。


その声に俊哉も


「おはようございます!」


と挨拶している。


・・・・・交代の時間だった。


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