迷子のコイ
「おまえ、大丈夫か?」


「えっ・・・なにが・・・」



俊哉の言う『大丈夫』が
なにを指しているのかわからなくて
あたしは逆に俊哉に聞いた。


「・・・ねぇ、なにが?」


そんなあたしに
俊哉は、一瞬ナギと目を合わせていたのに
あたしは気づいた。


「ねぇ、俊哉・・・」


「いや、なんでもない!
 じゃあな、アイス頼むな!」


あたしの頭に
軽く手を置いた俊哉は
あたしの言葉をさえぎるようにして
廊下にいる
友達のとこに戻っていった。
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