迷子のコイ
バイト先のコンビニから出ると
さっきより
気温が低くなっているように感じて、


「・・・くしゅんっ!」


思わずくしゃみが出たあたしに、
俊哉は、
着ていた上着を貸してくれよーとした。


「いーよ、俊哉!」


あたしは俊哉の上着を返そうとしたけど
俊哉も頑として譲らない。


「そんな格好、してるからだろ」


ピンクのキャミワンピに
5分袖のカーデを羽織ってるあたしに
俊哉が言った。


「先にアイリ送るわ」


「・・・え?」


このコンビニからなら
ビミョ~にあたしの家のほうが近い。
疑問に思って俊哉にきくと


「おまえ、カゼひきそーだから」


ぶっきらぼうに答える俊哉に
となりでナギが
ウン、ウンってうなづいてる。


なんだかふたりが
あたしの両親のよーに感じてきた。


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