迷子のコイ
「・・・来いって・・・」


「こっち来いって言ってんの。
 俊哉、オマエむこう行けよ。
 ナギに教えてもらえ」


「え!」


佐伯くん以外の3人が、
同時に声をあげた。


「カケル、待てよ!
 別にアイリはオマエじゃなくて 
 ナギに教わればいーだろ?」


俊哉がなぜか
ムキになりながら言ったその言葉に


「ばぁぁーか!」


「早坂がじゃなくて、
 俺に教わってもオマエが覚えねーだろ!」



「おい、ナギ、
 おまえ こっちこいよ」


「あ、うん」



佐伯くんにそう言われたナギは
それまでカレが座ってた場所に
おずおずと腰をおろした。


そして、あたしの隣りには佐伯くんが・・・。


あたしは急に
心拍数が早くなるのを感じて
佐伯くんのいる、右側だけが
以上に熱くなるのを感じていた。
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