迷子のコイ
「・・・ナギ・・・」


体育館をぬけ廊下にでると
俊哉が話しかけてきた。


「・・・コイツ、どーしたんだ?」


「・・・わかんない。 
 急に、たおれて・・・。
 でもいま思えば
 お昼休みの時から調子悪かったのかも・・・。
 『ダルイ』って言ってたし・・・」



俊哉に抱きかかえられたナギをみながら
 
(ナギが倒れたのはあたしのせいかも )

って考えてた。

すると俊哉はまるで
あたしの考えてることがわかったかのように

「心配すんな」って言ってくれた。






保健室につくと
なかにいた保健の先生が

「あらあら!」

と言いながら
いそいでベッドにナギを横たわらせてくれた。

棚から持ってきた体温計を
ナギの袖のしたにいれると
体温計は
驚くべき速さで
ピピッ と鳴った。


ナギの熱は39℃に、近かった。
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