迷子のコイ
「ん~ん。やっぱなんでもない!」


「なによ! 気になるでしょ!!
 ・・・また沙紀たちに何か言われた?」


熱をだしながら
それでもあたしの心配をしてくれるナギに
あたしは感謝した。


「・・・じゃあ言うけどぉ・・・
 ナギが倒れたとき
 俊哉がナギを抱いて
 保健室に連れて行ったんだよぉ~」


「・・・えっ!」


それを聞いたナギは
めずらしくそのあと
わけのわからないことを
ブツブツいいながら
ひとりごとを言っていた。




「・・・そろそろ、帰るねぇ」


あたしはナギに言った。


「あ、うん。
 アイリ、今日はアリガトね!」


「・・・あした、ちゃんと休んでよ?」


あたしはまだ熱のあるナギにそー言って
ナギの部屋をでた。
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